ALSと脳リンパ流(共同研究)

体の中で生じる老廃物を排せつ・処理するためにリンパ系が全身に張り巡らされていることはよく知られていますが、不思議なことに、脳や脊髄といった中枢神経系にはリンパ系が見つかっていませんでした。しかし、最近になって、中枢神経系に生じた老廃物は、脳脊髄液の流れを利用したシステム(脳リンパ流:glymphatic system)によって除去されることが提案されています。今回、薬学部の三澤教授は、脳リンパ流を発生させる水チャネルAQP4に着目し、AQP4をノックアウトすることで脳リンパ流の流れを悪くすると、変異型SOD1の凝集体(老廃物)が脳・脊髄から除去される効率が低下し、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症につながるメカニズムを提唱しました。本研究は、慶應義塾大学次世代研究プロジェクトの支援を受けたもので、医学部の安井教授とともに、古川も変異型SOD1凝集体の提供・解析という面で協力させていただきました。詳細はこちらの論文をご覧ください。

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